エクステリアさくらで、お客様の暮らしをデザインさせていただいております、高橋(仮名)でございます。
あれほど眩しかった陽射しも、心なしか少し柔らかくなり、空が高く感じられるようになりました。夏の賑わいが過ぎ、日常が戻ってくるこの季節。なんだか、心と体に、夏の間の疲れが少しだけ残っているように感じられる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時、わたくしは、ただ静かにお庭に出て、ゆっくりと深呼吸をする時間を作るようにしております。
植物の緑が目に優しく、風にそよぐ葉の音が耳に心地よく、そして、雨上がりの土の香りが、心を穏やかにしてくれる。 今日は、お庭が持つその不思議な力、**「ガーデンセラピー」**について、少しだけお話しさせてくださいませ。
「処方箋」は、お庭の中に隠されています
ガーデンセラピーとは、植物や自然と触れ合うことを通して、心や体の健康を回復し、保っていく考え方のこと。難しいことではございません。私たちの五感を、少しだけ、お庭に向けて開いてあげるだけなのです。
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【視覚】目に優しい「緑」の魔法 緑という色は、科学的にも、心身をリラックスさせる効果があると言われております。一口に「緑」と申しましても、芽吹いたばかりの若葉のような黄緑、夏の深い森のような深緑、ハーブたちの持つ銀色がかったシルバーリーフ…。様々な色合いの緑を、お庭の中に重ねてあげることで、目に優しく、いつまでも見飽きることのない、奥行きのある景色が生まれます。
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【聴覚】心を澄ます「自然のBGM」 少しだけ、耳を澄ましてみてください。風が木々の葉を揺らす、サワサワという音。どこからか聞こえてくる、鳥のさえずり。わたくしどもの職人、鈴木(仮名)が丁寧に敷き詰めた砂利の上を歩く、ザクッ、ザクッという足音。お庭にあふれる自然の音は、都会の喧騒を忘れさせ、心を静かに整えてくれる、最高のBGMでございます。
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【嗅覚】記憶を呼び覚ます「香り」の力 雨上がりの、あの独特の土の香り。通り抜ける風が、ふと運んでくるラベンダーやローズマリーの爽やかな香り。そして、これからやってくる季節には、甘く懐かしいキンモクセイの香りも。香りは、脳に直接働きかけ、心をリラックスさせたり、遠い日の楽しい記憶を呼び覚ましてくれたりする、不思議な力を持っております。
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【触覚】"土に触れる"という、最高のデトックス 小さなスペースでも構いません。ご自身の好きなハーブやお花を育てるための、土に触れる場所を持ってみてはいかがでしょうか。ガーデニングで土に触れること(アーシングとも言われます)は、科学的にも心身のバランスを整える効果があると言われております。また、裸足で歩けるウッドデッキや、柔らかな芝生の感触も、最高の癒やしとなります。
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【味覚】育てる喜び、味わう喜び 小さな家庭菜園で育てたミニトマトを、お子様が採れたてをパクリと頬張る。ご自身で育てたミントの葉を一枚摘んで、ハーブティーにして味わう。自分で育てたものをいただくという体験は、「おいしい」という感覚以上に、何よりの心の栄養となるはずです。
お庭とは、単に美しい景色を眺めるだけの場所ではございません。 それは、私たちの五感すべてに優しく働きかけ、知らず知らずのうちに溜まった日々の疲れを、そっとときほぐしてくれる、ご家族だけの**最高のサンクチュアリ(聖域)**なのです。
わたくしたちは、お客様の心と体の健康までをも見据えた、そんな“暮らしに効くお庭”をご提案したいと、常に願っております。
夏の疲れを感じたら、どうぞ、お庭に出て、椅子に座って、ゆっくりと深呼吸をしてみてくださいませ。 きっと、優しい自然の力が、あなたを包み込んでくれるはずです。